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〈 文化年間から続く老舗/小柳酒造 〉
◆米どころであり、また豊富で美しい水にも恵まれた小城町は、古くから酒造業が栄えた土地でした。記録によれば、明治34年に小城郡内の酒造業者は24軒を数え、小城町には4軒の蔵元があったとのこと。現在も「小柳酒造」と「天山酒造」の2軒の蔵元が健在で、引き継いだ伝統の技により、美味しい日本酒を造り続けています。
その一つ、「高砂」の銘柄で知られる上町通りに面した「小柳酒造」は、文化年間(1804〜17年)創業という老舗です。白い漆喰壁の商家造りの建物は、通りでもひときわ目立つ美しさ(写真・左)。平成14年に母屋や蔵・麹室・酒母室など、敷地内の14棟が国登録有形文化財に指定されており、往時の面影をいまに伝える、町の貴重な文化遺産になっています。
創業は初代・小柳正兵衛のときですが、もともと同家は寛永年間(1624〜43年)に、三日月町深川から当地に移住してきたと伝えられます。これはちょうど小城初代藩主・鍋島元茂が、祇園社(現・須賀神社)の門前から南北に上町・中町・下町を整備し、小城町の基礎づくりをした時代。土地の有力者だったという小柳家のご先祖も、藩主に招かれて町づくりに一役買ったのかも知れません。
通りに面した引き戸を開け店内に入ると、棚には「高砂」のブランド名の入った同酒造自慢の銘酒がズラリ(写真・下左)。中には佐賀の伝統産業である、肥前ビードロの青い瓶に詰められた商品も…。天山の伏流水と地場産米でつくられるこれらの銘酒は、どれもが「うまくち」の酒として定評のあるところです。
創業当初からのものという母屋の建物を奥に案内してもらうと、現れたのは江戸時代の町屋の造りをそのまま残す見事な空間。高い吹き抜け、太い梁、端正な造りの座敷など、至るところに当時の商家の雰囲気を感じることができます。また他にも、昭和初期に造られたという高砂本蔵や、地域のランドマークともいえそうな煉瓦造りの煙突(写真・下中)など、敷地内には歴史的な建造物がいっぱい。蔵の一隅には、古い酒造りの道具なども展示してあります(写真・下右)。
夏ともなれば、庭を流れる小川にホタルも舞うという小柳酒造──。まさに、藩政期の造り酒屋のにおいを濃厚に感じさせる、“小京都・小城”にふさわしい蔵元なのです。 |
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| 名 前 |
電話番号 |
ホームページ |
| 小柳酒造株式会社 |
0952-73-2003 |
ここをクリック |
| 天山酒造株式会社 |
0952-73-3141 |
ここをクリック |
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〈 蛍と清流の里の蔵元/天山酒造 〉
◆天山山系を源とする祇園川が岩蔵谷を通過する辺りは、その景観の美しさとともに、夏にはホタルが乱舞する清流の里として知られています。そんな自然環境に恵まれた場所にあるのが、小城町のもう一つの蔵元「天山酒造」です(写真・右)。
天山の伏流水と佐賀平野の米で仕込まれた「天山」は、辛口の銘酒としてむかしから広く人々に愛されており、いまでは“酒どころ佐賀”を代表する銘柄の一つ、といっても過言ではないでしょう(写真・下中=天山酒造提供)。
同酒造の創業は、明治8年(1875)。文久元年(1861)からこの地で製粉・製麺業を営んでいた七田家の利三・ツキ夫婦が、近隣の酒造家から道具を蔵ごと譲り受けたのが始まりだといわれます。以後、二代目を継いだ秀一氏の手により、「天山」は急速に声価と生産量を高めて行きました。
祇園川に面した同酒造の入り口に立つと、まず目を引くのが直径が1メートル近くもありそうな巨大な杉玉。これは新酒の季節に青い杉の葉を束ねて作られるもので、ここでは例年、新米の出始める11月末から翌年の4月初め頃まで、酒造りが行われるのです。標高1,046メートルの天山から吹き下ろす冬の厳しい寒気のなかで、美味しい酒が醸されていくわけですね。
広い工場内では厳重な管理のもと、原料となるお米を削る精米から発酵、貯蔵、瓶詰めまでの一連の工程が行われます。なかでも圧巻なのは、時代ごとに順次建て増しされたという、明治蔵、大正蔵、昭和蔵の存在感(写真・下左)。これらの蔵は国登録有形文化財に指定されており、長い風雪を耐えた白い漆喰壁や木肌の色は、まるで酒造りにうち込んできた職人達の表情そのもののよう。
蔵の内部に並ぶのが、巨大なタンクの群(写真・下右)です。中ではそれぞれごとに醸造や貯蔵が行われており、酒たちはここでじっと自分を磨きながら、一人前の「天山」になる日を待つのでしょう。醸造タンクの中の一つを覗かせてもらうと、光の底にふつふつとわき上がる酵母の息遣いとともに、芳醇なフルーツの香りが顔中を包みました。 |
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